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昨年、業界内で話題を巻き起こし好評を博した
墓標シリーズ第一弾「AIR Mook 11 『あのまち、このまち失敗事例集 「墓標シリーズ」』」
http://areaia.jp/item/aia_text/review_mook-995.php
に続く、第二弾特集です。
去年の第一弾では再開発事業を紐解きましたが、今回は膨大な予算を投入して
策定した計画、それをもとにして予算を投じながらも次々と失敗を繰り返していく事例を「計画墓標」と名付け、取り扱います。実は第一弾の再開発などの多くも、基本計画の上に国からの補助金を使って行われたもので、計画墓標の上の、再開発墓標という墓標のミルフィーユ的な状態になっています。
重要なのは、「墓標となる計画がある」のではなく、「計画をたて実行すること自体が墓標」というプロセス問題にあります。ここで紹介する各地域が特異な事例ではなく、そもそも計画をたて実行するプロセスの限界を見る上での多様なサンプルとして選定しています。
これを対岸の火事のように読んで満足しても意味はありません。
そもそも各種地域活性化事業は、いい加減に、適当な人が集まって事業を推進して失敗しているわけではありません。むしろ、自治体が中心となり”専門家”を集めて立派な計画をたて、それを国が認定し、多数の人々の労力と予算を投入し、それでも失敗してしまう。そこに深刻さがあります。
しかも、最近では、数値目標設定したり、その検証までしてもなお、改善されない。
まじめに専門家を入れて計画をたて、KPI( Key Performance Indicators )を
設定し、PDCA サイクルを見かけ上回して、予算もしっかりぶち込んでも、
着実に地方は衰退しているわけです。
さらに、これは当然一部政策にかぎらず、様々な政策で採用されているモデルです。
中心市街地活性化基本計画、構造改革特別区域計画、産業集積形成等基本計画、都市再生整備計画、地域公共交通網形成計画などなど地方に関連する基本計画・認定事業だけでも膨大な数がすでにあります。皆さんの地元でもこのような基本計画が社会資本整備などだけでなく、農林水産業、工業、商業などの産業部門だけでも山程立てられていますので、ぜひご確認ください。
ここまでうまくいかないわけですから、求められているのは、「いかにうまく
計画をたて、いかに高度な事業を展開し、適切に評価するか」ではないと
気づかないといけません。
つまり、そもそも「計画行政的な方法」が縮小局面に入った社会では役に
立たないのではないか、という根本的な問題意識が出てこないといけないわけです。
ダメなやり方を、いかにうまくやるか?みたいな議論をしてしまうのが日本社会のよくないところ。そもそも「ダメなものはダメ」なのです。
このような問題意識から、この手の計画行政的な展開をし失敗している事業の
中から、実際の地方都市事例を資料に富んでいる「中心市街地活性化事業」を
題材にして、
「なぜしっかり計画をたてているのに失敗するのか」
「なぜKPI を設定してやったのに活性化が目に見えないのか」
「PDCA サイクルをまわしているはずなのに、なぜに成果改善がみられないか」
といったような「なぜ?」に迫ります。
皆様も地方創生総合戦略など国が制度をつくった事業の基本計画を作るぞー、
といったような中で、そもそも計画をたて事業実施する時の「罠」を認識
しなくてはなりません。実は計画をたて、KPIを設定、PDCA サイクルを回す
ということ以前に気をつけないといけないことが山程あるわけです。過去の失敗に学び、成果に結びつくアクションをしていきましょう。
行政の方は当事者として、政治家の方はそれを承認する立場として、
市民の方は声を上げられる立場として、専門家は委員会などの場を通じて、
「計画墓標」を事なかれ主義で作らないようにしなくてはなりません。
まちを蝕む「計画墓標」を皆様の地域に増やさないためにも、まずは各地の計画墓標から学びましょう。
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